M&A仲介会社の選び方は会社名よりも担当者個人との相性が大切!

query_builder 2021/12/08
M&A・事業承継
M&A仲介 (11)

M&Aに関して専門的な知識を持っている人が社内におらず、M&A仲介会社を頼ってM&Aを実施する企業は多いです
M&A仲介会社ならM&Aの実績もたくさんあり、専門的な知識を持っていなくてもスムーズにM&Aを進められるでしょう。
ただし、M&A仲介会社選びに失敗してしまうと、M&A自体が上手くいかない可能性があります。
そこでM&A仲介会社の選び方のポイントについて解説します。

M&A仲介会社について

M&A仲介会社の役割とは?

M&A仲介 (10)

M&A仲介会社の役割はその名の通りM&Aを仲介することです
M&Aを実施するにあたっては、会社を譲渡する側とされる側双方の希望が合致しないと成立しません。
そこで2社の間に入って調整を行い、M&Aがスムーズに進むようにサポートするのがM&A仲介会社の仕事です。
M&Aの相談先は様々です。
公認会計士や税理士など法律の専門家に相談する人もいれば、公的機関や銀行などの金融機関に相談する人もいます。
その中の選択肢としてM&A仲介会社があり、M&A仲介会社の場合は中小企業のM&Aに特化しているというメリットがあります。

M&A仲介会社と混同されがちなのがFAです。
FAとは、Finicial Advicer(ファイナンシャル・アドバイザー)の頭文字を取った言葉で、M&Aに関する助言を行います。
FAはBig4をはじめとするコンサルティングファームや、外資系、内資系投資銀行がその役割を担うことが多いです。

M&A仲介会社の役割はその名の通り仲介業が中心となります。
そのため、なるべく2社にとって中立の立場で双方のメリットが最大化されるようにM&Aのサポートを行います。
それに対してFAの仕事はこれからM&Aの実施を検討している売り手・買い手企業どちらか一方の視点で助言を行います。

M&A仲介会社は双方の希望をすり合わせる業務が中心であり、中小規模のM&Aで利用されることが多いです。
それに対してFA海外企業や大企業のM&Aにおいて損をしないように買い手もしくは売り手どちらかの支援を行い、利益の最大化を目指します。

M&A仲介会社の選び方は?

M&A仲介 (5)

M&Aは失敗できない取引です。そのため、M&A仲介会社選びも確実に良い企業を選ばなければいけません。そこで、M&A仲介会社選びのポイントを紹介します。

#希望するM&Aを実現できる仲介会社を選ぶ
一言にM&Aといってもオーナー様、会社様によって実現したい目標は変わってきます。
医療法人の譲渡であれば、医療法人を得意とするM&A仲介、複雑なストラクチャを要するM&Aであれば、FAや専門の税理士を起用するなど、ご自身が達成したい目標によって起用するべきM&A仲介・FAも変わってきます。
また、得意とするM&Aの規模も仲介会社によって違います。
M&A仲介会社の得意分野と希望するM&Aの条件が合わないと成約に至らない可能性があります。
そのため、M&A仲介会社は必ず自社が希望するM&Aの手法や規模を得意とする会社を選びましょう。


#報酬形態もチェック
M&A仲介会社を利用するにあたってトラブルになりやすいのが報酬に関する契約です。
基本的にM&A仲介会社の報酬形態は完全出来高制で、譲渡代金に応じて手数料額を掛けるレーマン方式を採用している傾向にあります。
ただ、M&Aの仲介業では報酬に関する制約が存在しないため、他の報酬形態を採用しているところも少なくありません。
仲介会社によっては成功報酬だけでなく着手金や中間金などが発生したり、最低報酬金額が決められていたりするところもあります。
そのため、報酬に関するルールをよく確認したうえでM&A仲介会社を選んだ方がよいでしょう

#複数のM&A仲介会社の面談をして最も合っている仲介会社を選ぼう
M&Aを検討しているとM&A仲介会社から営業電話やDM(ダイレクト・メール)が届くこともあります。
しかし、これらの内容は営業トークの側面も強く、自社にとって不利な部分には基本的に触れられません。
ただ、実際に話を聞いてみないと担当者の質がどれくらいなのか把握するのは難しいです。
また、1社しか面談をせずにM&A仲介会社を決めてしまうと、仲介会社のサービスの質が悪いことに気付けないまま契約を結んでしまう可能性があります。
したがって、必ず複数のM&A仲介会社に面談を行ったうえで最も相性が良いと感じたところを選びましょう

#PMIを見据えた譲渡ができそうか
PMIとは、Post Merger Integrationの頭文字を取った言葉であり、M&A成立後の手続きのことを言います。
M&Aは契約が成立すれば終わりではありません。
M&A成立後に共同で部署の立ち上げや2社間の制度のすり合わせなども行う必要があります。
PMIが上手く行かないと、企業に対して不満を持つ人が出てきて、優秀な人材が流出したり、2社の社員間でトラブルが起こったりしてしまいます。
そこでPMIまで見据えた進行ができるM&A仲介会社だと、先回りしてM&A成立後のトラブルを対策してくれるので、M&Aが失敗するリスクを小さくできます。

#相性の良い担当者がいるM&A仲介会社を選ぼう
M&A仲介会社を利用するにあたって、いくら会社の評判が良くても担当者と相性が合わないとM&A自体も上手くいきません。
M&Aを実施する際は担当者と頻繁に連絡を取ることになります。
そこで相性が悪い担当者だと、連絡を取ることが苦痛になり、M&Aも上手く進まなくなってしまいます。
結果として譲渡案件が成約にならなくなってしまう可能性も考えられるでしょう。
したがって、何よりも担当者との相性が重要であることを念頭に置き、M&A仲介会社を選びましょう

M&A仲介会社の担当者選びで重視することは?

M&A仲介 (8)

M&A仲介会社は最終的には担当者選びが大切です
しかし、担当者選びで重視することはどんな点が挙げられるのでしょうか。
それでは、担当者選びの注意点を紹介します。

#大規模案件の成約経験があるか

M&Aが成功するかどうかはM&A仲介会社の担当者による部分が大きいです。
そのため、売り手・買い手双方からの信頼を得られるほどの実績と経験・知識があるかを見てみましょう。
具体的には大きな案件を一人で成約まで決めた実績があるか、M&Aの流れを理解しているかを確認しましょう。
もしM&Aに関する知識が無い状態でM&A仲介会社に依頼しようとしているなら、顧問先の会計士・税理士など同席のうえで相談するのも良いでしょう。

#現在進行の案件をいくつか抱えているか

M&A仲介会社によっては一人で複数の案件を同時進行で行うこともあります。
中小企業のM&A仲介は担当者によって、力量の差が激しく、担当者によっては大量の案件を一人で抱え込んでいることも珍しくありません。
担当者が複数の案件を抱えている場合、M&Aが成立する可能性や報酬が高い案件から優先されるのが基本であり、自社のM&Aを後回しにされてしまう可能性があります。
担当者の手持ち案件量と自社の優先度も成約に多いな影響を与える場合があります。

#財務に関する知識を持っているか

M&Aを実施するにあたって、担当者の営業力が高くても財務に関する知識がおろそかだとM&Aが上手くいかない可能性があります。
したがって、担当者の財務に関する知識量をよく見たうえで依頼しましょう。
M&Aにおいて企業価値は財務内容をベースに交渉します。
そして買い手のM&A担当役員は財務バックグラウンドを持つ人である可能性も考えられます。
特に買い手の企業の規模が大きくなればなるほどその傾向が顕著です。
相手が財務に関して深い知識があるのに対し、担当者が財務に関して無知だと買い手側から信頼を得にくく、M&Aも進みにくくなってしまいます。
担当者が業界に関する知識を持っていればなお良いですが、業界出身で業界知識はあるが、財務に弱い担当者を選んでしまうと、条件交渉の際に、買い手担当者と話がかみ合わなくなってしまうケースが考えられます。。
したがって、M&A仲介会社と面談する際は担当者に財務会計に関する知識が最低限備わっているかは確認した方が良いでしょう。

特にチェックすべきなのが、所得税、法人税などの各種税法に関する知識の有無です。
M&A仲介会社の場合、M&A成立までの知識はあってもその後の手続きには疎い人も少なくありません。
M&Aでは莫大な金額が動くので、税額を考慮したストラクチャを売り手、買い手で協議することは珍しくありません。
そのため、M&Aを進める際には、M&Aに関する税法の知識が備わっている担当者を選んだ方がよいでしょう。

(もちろん、最終的なスキームの判断や、申告書の作成は、売り手側もしくは買い手側の顧問税理士の方が担当されることが多いですが、議論を進行していくにあたり、担当者にも最低限の素養が求められることは否めません。)

#言動が信用できるか
M&A仲介会社選びでは何よりも担当者との信頼関係が大切です。
担当者が人として信頼できない人だと、情報漏洩や、フェアな立場でのアドバイスがもらえず結果として、売り手側、買い手側どちらかに明らかに不利な条件での譲渡を実行してしまうなどの問題が起こる可能性があります。
また、売り手オーナーさまの気にされる点として、すでに「買い手がいる」という仲介に依頼した方がよいのかというものがありますが、こちらは結論、あまり気にされなくて問題ありません。
中小企業のM&Aにおいては、事業の内容に対して希望価格が適正なものであれば、基本的に買い手候補は見つかるものです。
現在、買い手がいるかどうかに惑わされず、自身が本当に頼みたい仲介・アドバイザーに依頼されることをおすすめ致します。

したがって、対応が誠実で人間的に信頼できる担当者にM&Aの仲介を依頼した方が良いです。
誠実さを見分ける点として、第三者視点でのフェアな意見を伝えてくれるかというものがあると思います。
担当者によっては、案件獲得を最優先するあまり、初期的な企業価値評価を実態よりも高く算定する会社・担当者も存在しますが、実態からかけ離れた評価をつけて譲渡しようとしても、譲渡は難航してしまうでしょう。
最大限、売り手・買い手の利益を最大化できる様、努力することは大前提として、耳障りのよいことだけでなく、率直かつ中立な意見を持つ仲介に依頼された方が結果として、ご希望に沿える確率が高いように思います。

まとめ

M&A仲介会社は担当者の質が大事!信頼できる人にM&Aを依頼しよう

M&A仲介 (3)

M&Aを実施するにあたってM&A仲介会社の評判やサービスの質も大切ですが、最終的に重要になるのはM&A仲介会社の担当者の質です。
いくら評判の良いM&A仲介会社でも担当者の質が悪いとM&A失敗のリスクが高くなってしまいます。
したがって、契約までによく担当者との面談を行い、相性が良くて信頼できる担当者にM&Aの仲介を依頼しましょう。

安心して会社譲渡・事業承継を行うには、相性の良いM&A仲介会社に依頼することが重要になってきます

弊社もM&A支援機関として、中小企業さまの会社譲渡・事業承継のご支援をさせて頂いておりますので、お気軽にお電話もしくはお問い合わせフォームよりご連絡頂けますと幸いです。

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